柳生十兵衛死す〈上〉 (小学館文庫―時代・歴史傑作シリーズ) 価格: 690円 レビュー評価:4.5 レビュー数:2 作者が忍法帳モノを書くことを終え、 明治モノ、室町モノへと着手していく中、 唯一十兵衛モノで忍法帳を書いてみたいと思っていた作品。 それが『柳生十兵衛死す』です。 『魔界転生』『柳生忍法帳』の後、相当のブランクを経て、 この作品が生まれました。 この作品でもって三部作とし、十兵衛モノを完結させたいと 思っていた作者が、70歳を越えてようやくの発表できた作品。 山田風太郎氏の執念が垣間見れられます。 確かに忍法帳全盛期と比べれば、エロスが足りなか |
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編笠十兵衛〈下〉 (新潮文庫) 価格: 700円 レビュー評価:3.0 レビュー数:1 忠臣蔵は小説より映画やテレビドラマのほうが向いているのかもしれない。 小説で読むと、吉良上野介側が不憫でならないからだ。 いったいこの悲劇の原因は誰なのだろうか? やはり徳川綱吉の勘気なのだろうか? 短慮に走った浅野内匠頭だろうか? 綱吉を止められなかった柳沢吉保だろうか? この人たちに振り回された、赤穂浪士と吉良上野介とその家臣、および上杉家の人々、不憫でならない。 池波正太郎は、この人たちにスポットを当てているので、「吉良の首討ち取った! 悪者やっつけた!」という気分から対極の |
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